====================================================================== ■tomato.workshop (tokyo.april 4th-13th.2000) ●1日目 4/3月 最初のレクチャー -------------------------------------------------- ワークショップの場所は、麻布にあるDeluxというところ。 建築事務所の事務所兼、スタジオとして建てられた。[名前忘れた] (表参道の工事現場にある巨大なピカピカするバルーンを作ったところ。) 他、ナマイキというデザイン事務所、タナカノリユキ関係の事務所など。 事務所、スタジオは分けられていて、スタジオはけっこう広い。 Tokyo Aleという地ビール工場もかねている。 機材は豊富。PowerMac G4が10台、それぞれにAdobeのソフト、 EPSONのカラープリンター4台、スキャナー、など。 ワークショップは自己紹介から始まった。 レクチャーについては、セミナーのときと重なる部分もあり、新しい部分もある。 セミナーだけの部分、ワークショップだけの部分多い。 ・Steve Bakerから事務的な話 木、日、月に、青山のKyozonでビジネスレクチャーをやる。 他に青山のKyozonにてメンバーとの対話の時間も作る。 月にパーティーをする。 ・Michael Horshamから映像についてレクチャー。 ・Joel Baumanからインタラクティブ作品についてレクチャー。 Joelと会話する。「Anthonyという人がBrooklyn Systemにいて、 Acrophobiaというsimple multi player gameが好きなんだ……」 ・John Warwickerからデザインの流れについてレクチャー。 Memo「セント・マーティン校で講演したときグラハム・ウッドがやってきた、 mother earthというUnderworldの一枚目のレコードをだした。 ギー・ダボール、サイト・オン・ザ・プラネット」 パーソナルワークとしての映像を見る。 コピー機でコピーしたようなテイストの画像のアニメーション。 青い光の動きを見るもの。blue piece. ・blue pieceについての解説。 始めてヒューストンにいってマーク・ロスコーの大きな絵を見た。 動くような感じがした。ビーチで海を見ているような…。 ジェームス・タレルにも影響をうけている。 P.S.1の作品。空そのものが見えている。 ローデン・クレーターの作品、直径1kmのクレーター、星や空を見るための部屋。 ローマ、システィーナ礼拝堂、崇高な青、ミケランジェロの絵。 リックとJohnがはなしていた。それをリックが録音。 女性の声にして夢の中のように聞こえるようにモジュレーションした。 ジェームス・ジョイス、ギードボールなど、シチュエーショニストについての会話。 4面かこったインスタレーションのために作った映像。 アクリル板で迷路を作り、でかいライトボックスの上に置き、プロジェクターから光 を投影し、モーションコントロールカメラでその中を抜けるように作った。 スペーシーな画像になった。ロスコーの絵は平面的なのだが。 ・トマトの収入源であるコマーシャルフィルムについて。(どれもクオリティが高い。) トマトは過去三年の間、300本のフィルムを作った。1/3はクライアントのため。2/3 は自分達のパーソナルワーク。後でお金がつくこともある。 ・ブリティッシュ・カウンシルの依頼でクリエイティブ・エコノミーについてフィル ムを作った。クリエイティブ・エコノミーがなにかわからない。シンクタンクに聞い てもわからない。イギリスの産業で、クリエイティブ産業が非常に大きい。 車、オイル、造船をあわせたよりも大きい。 ・一日目の課題がでる。今日ワークショップから家に帰るまでに地図を作る。 メディアはなんでもいい。組み合わせでもいい。 私は財団に戻り、ビデオカメラを回した。蛍光灯、白熱灯を撮った。 自分のWebページをいろいろ撮った。原宿駅前をとった。家の明りをとった。 直接的に地図をとってみた。 ●2日目 4/4火 帰るまでの地図 -------------------------------------------------- 講評からはじまる。みんなそれぞれに面白いものを作っている。 ビデオを見せる。ライトの部分を見せるとき、解説する必要はない。それがライトで あると言わないほうがいい。それがモニターであるとも。見たものを感じればいい。 スケールの問題がある。自分より大きいくらいにプロジェクションしてみると違う感 じがでる。撮るときに編集しながら撮ってみるといい。それがリズムを生じさせる。 最後の地図は直接的すぎてつまんないね。 他多数のメンバーの作品をみる。どれも違っていて面白い。 15:00 講評がおわり食事。 ドローイングをする。A0くらいの紙に、どんどんドローイングをしていく。 次に音楽に聞きながらドローイング。 終って少しだけ講評。 一人すごく面白いドローイングができた人がいる。[ジャクソン?] 紙を見ないで、ペンだけを走らせて描いたドローイング。見ないで描いた線の面白さ。 一枚の絵の中に複数のストーリーが入っている絵もあった。 Michael Horshamから二日目の課題。 以下の言葉を解釈せよ。 中にいる間に外。 外にいる間に中。 Joel Baumannからの課題もでる。これは木曜まで。 明晰に記憶のこっている出来事を10コマの絵で表わす。 美的なものでなく情報的なもの。それを元に作業する。 家にかえって考える。Webブラウザを使った案を思いつく。 ●3日目 4/5水 伝言ゲーム、inside outside -------------------------------------------------- 10:30 Delux着。 inside outsideの課題がまだできてない。dynabookで作業をしている。 みんなで伝言ゲームをする。 端からある言葉を伝えて、端まで伝えていく。 日本語、英語の問題があって、どんどん言葉がかわっていってしまう。 極端に短くなるとか、無い言葉がつけくわわっていくとか。 みんなで爆笑する。 このときの経験をシンボルにするという課題がでる。 スケッチブックに描いていく。 以前にインターコミュニケーションにのっていた、ブレンダ・ローレルの劇場 としてのインターフェイスモデルのシンボル絵を思いだしていた。 その絵に近い絵を描いた。 午後、inside outsideの課題講評をする。 僕の作品は、わりとくだらないね、という講評。That's itって感じ。 Joelの感想、トマトがデスクトップになるってことだよ、ってのが面白かった。 他、どういう作品があったか、わすれてしまった…。 外人の参加者に聞いてみた。 ・情報はホームページを見て知った ・このワークショップのために日本に来た ・2、3日余分に滞在しているが、基本的にはワークショップが終ったらすぐに帰る。 ・だいたいは参加費も滞在費も自分で出している。滞在費だけ会社でだしてもらって いる人もいる。 ・だいたいが会社で働いている人。チリで自分の会社をもっている人もいた。 19:00 別件のミーティングに参加するため、途中で帰る。 ●4日目 4/6木 Steve ビジネスレクチャー#1 @ 共存 -------------------------------------------------- 朝、Deluxにいく。ほとんどメンバーがいなくてびっくりする。 Joelが共存で、絵コンテについての話をしているのだと。 ------------------------------ Johnによる本についてのレクチャー。後半美術史になる。 ・北斎の絵。とても自由だ。とにかくたくさん描いている。死ぬまでに3万枚の絵。 浮世絵は、包装紙としてヨーロッパに伝わった。 ・大竹伸郎、スケッチをし続けている。とにかくスケッチを続けている。 この人は、描くのをやめることを知ってればもっといいのだけど。 デビッド・ホックニーの芸術観についての本がある。彼の作品より面白い。 ・ロバート・ヒューズというアメリカの批評家がいる。「Shock of now」彼によれば、 →ジュリアン・シュナーベルは絵が描けない。 →デビッド・サリーは線をなぞることすらできない。 アンディー・ウォーホールの重要な点は、彼は実際は絵が描けるということだ。 彼は色を選んだ。彼は最高のカラリストの一人だった。 どうしたら作品が広告に勝てるかにうつっていった。マクルーハンを読め。 マルセル・デュシャン→レディメイドを作った。 ベンヤミン「複製時代の芸術」 Guy Dabole、絵的なものが世界になった。 ゴンブリッチ「幻想としてのアート」、20世紀のアート批評家。 ロンドン、ナショナルギャラリー。 500年における影、shadowを集めた展示をした。 ( エルンスト・ゴンブリッチ(Sir Ernst Gombrich, 1909-)『芸術と幻想』 http://clinamen.ff.tku.ac.jp/H_TXT/Stradanus/Gombrich.html ) ウォーホールがボイスのポートレートを作った。この絵は特別だった。 彼は真珠の粉をインクにまぜてすった。全面に。 ウォーホールのボイスに対する特別な感情がここにでている。 ボイスとウォーホールが前提としていた条件は似たものだった。 しかし最終的な表現方法はまったく異なっていた。 出発点が同じでもまったく違うものになる。なっていいのだ。 社会に対しては戦略的に言葉を使わないといけない。Webでもなんでも。 やろうとしてることが何であれ、それがあなたのやりたいことを代弁しているか? それが重要だ。自分に正直なことをやる。 あなたがやりたいことというのはコンピューターより大きい。 波の絵を描いてる。9Hの鉛筆ですごく薄く紙に描いていく。絶対に複製できない。 スーザン・ソンタグによればオリジナルにこだわるのはエリートであるというけども、 複製できない価値もある。 コンテキストが重要。ワークショップのある人は、答を探していた。しかし自分がな にをやりたいかが答えなのだ。 5〜60年代のスイスのタイポグラファー、ニュートンの子、合理主義、啓蒙主義、自然の管理 彼は34年間、アクシデント・グロテスク一書体だけ使い続けた。スイスのマッドだ。 ゆたかなものを原子にまできりつめていった。 あなたがシュトックハウゼンならサイン波だけで音楽を作ってもいいだろう。 しかしアティックはシュトックハウゼンじゃない。 未来派からエドガー・ヴァレーズへの影響。NYにわたって、作曲をした。救急車の サイレンの音を聞いた。サイレンを会場にもちこんだ曲を作った。なにが曲なのか? ジョン・ケージ「ローリー・ホーリー・オーバー・ア・サーカス」、借金してでも買え。 彼はタイポグラファーとしても見事だ。ダダイズムのタイポグラファー。 マレーヴィッチ アレクサンダー・ロドチェンコ、マルコフスキー、狂ったポエム バウハウス、ヨハネス・イッテン、色彩論、彼のように宗教家もいた。 しかしバウハウスで作られたものは高かった。角ばったものの代名詞になってしまった。 フォルフガング・ナンシー? スイス・タイポグラフィーの孫。 エイプル・グライマン、最低 ロシア革命はけっしてそんなにひどいものではなかった。 しかしマルクスが予言したとおり、スターリンが支配することになってしまった。 アーサー・ミラー「クルーシブ」19世紀のフランスが舞台。 みんなが魔女だという時代。 モンティーパイソン「Life is ...」、 私はイスラエルに行ったことがあるが、これはドキュメンタリーだ。 Jazz、blue noteのジャケット、二色しか使ってない。お金がなかったから。 しかしすばらしい効果をあげている。やるってことが大切なんだ。 グレイトフルデッドのカバー、横尾忠則、すばらしい。 印象派、鉛のチューブ入り絵の具ができたからできた。その場で描けるようになった。 チューブ入り絵の具が普及した結果、絵の具に砂をまぜるなどして、新しいテクス チャーを作らなくちゃいけなくなった。錬金術。 ・ジョン・コンスタブル、印象派初期。風景のスケッチはすごい。 ・ミル・ゾーラ、気車から見る風景、遠くの風景は止まってるが近くはblurしている。 こわかった。こんなのに長く乗ってたら狂ってしまう。 クロード・モネも気車にのった。ワオ! すごいじゃないか。風景がぼけてるなんてかっこいい! 彼は弁護士の息子だった。セザンヌは遺産を相続していた。 気車というものが走るまで、村によって時間というものはまちまちだった。 グリニッジ標準を定めるようになった。 経度(longitude)について面白い話がある。 イギリスの海軍の艦隊があるとき、間違ったところを進んでいた。 一人だけ経験豊富な船員が気付き、提督に直接話した。 提督は彼を首吊りにした。提督に直接話しかけてはいけなかったのだ。 その後、艦隊は座礁し、イギリス海軍は船の大半を失った。 提督はからくも生きのびた。ある島にうちあげられた。 島の住民は彼をみつけた。みぐるみはいだ。そして殺した。 全てを失なったイギリスの王は、その一人だけ間違いを進言した船員の遺族を探した。 そして30,000ポンドを与えた。現在の価値でいくらくらいかはわからない。 そして経度というものをきちんと計測できるよう研究することにした。 John ハリソンという時計技師。メタルをつなげた仕組みで……。 テイト・ギャラリーのテイトはさとうきび王だった。つまりどれい貿易で巨額の富を 得ていたということだ。イリギスの現代美術のギャラリーはどれもそうだ。 ------------------------------ Deluxの回りを歩き、車のボンネット、ミラーなどの光の反射を撮影してまわる。 きれいだから撮ってみた。 15:00 Steve ビジネスレクチャー#1 @ 共存 詳細は別途まとめる。非常に面白い。セミナーでの内容と全然違う。 もっと詳細に具体的に、クリエイター自身が直面するだろう問題について語っている。 18:00 財団着。 ピーター・チョウに合う。 ●5日目 4/7金 町にでてまきつけて写真 -------------------------------------------------- このあいだ音楽聞きながら描いたドローイングの中から、自分以外の人のドローイン グを一つ選び、町にでてなにかにまきつけて写真をとる。 みんなで町にでて写真。開放的な気分になる。 段ボール箱にまきつけたり、 草にまきつけたり。 青山墓地にいく。桜がきれい。 丸いお墓があって、そこに置いてとってみた。 路上におかれてる赤いコーンみたいのにもまいてみた。 最後は自分にまいてとった。 13:00 昼ごはんをたべる。メーリングリストを作ろうという話になる。 ??????? なにかの講評だっけ? 19:00 財団着。 tomato workshopのメーリングリストを作る。 ・小指の大きさの物を写真にとる課題をやる。 いつも持ち歩いているボールペンを主人公にすることにした。 大きなポスターを裏返しにおき、針金を通してボールペンが傾いてるようにする。 光源を一つだけにして、それを使いきりカメラで撮影する。 22:00 さすがにもう現像できるところはないよねぇ。 明日朝一番で現像に出そう。 家にかえり、電話帳で現像屋を探す。 ●6日目 4/8土 John デッサンレクチャー @ 有栖川公園 -------------------------------------------------- 朝一番、六本木で現像に出す。 10:30 広尾有栖川公園にて、Johnのデッサンの授業。 すごくいい天気。暑いくらいだ。 鴨をデッサンしはじめる。うまく書けない。 近くにでかい蛇がいた。2mくらいある。こいつをデッサンしよう。 全然うまく描けない。しかも子供がやってきて、蛇にちょっかい出したせいで、 蛇は場所を移動してしまった。 もう一度腰をすえて、Johnが言っていた360度描くことをやってみた。 巻紙をとりだし、風景をかきだす。長い巻紙に描くのは意外と難しい。 風がふいていたせいもあって、単純に長い紙のハンドリングが難しい。 少しづつ描いていく。とにかくおおざっぱに、あまり描きこまずに大きな線を描いていく。 100度分くらい描いたところだろうか、Johnが来た。 John: 線が自由なところがいい。そしてその自由さが一貫している。実はそれはとて も難しいことだ。もっともっと描け。360度描いていくとき、遠景を描いてるときは いいが、後にまわって近景を描くようになると、見え方が違ってくる。そのときにも 同じような自由さで描くのはとても難しい。やってみるといい。それができたらまた 同じところを描きつづける。二周目にはまた違うものが見えてくる。 基本的にほめられたみたいだ。いい気になる。その先をかき続ける。 たしかに言われたとうりだ。近景を描くようになるとすごく難しい。 なにが難しいって、いろんな物の細部が見えてきてしまうってことだ。 遠景との間の連続性を保ちつつ、近景らしさを出すのは簡単じゃない。 やはり描きこみすぎてしまったみたいだ。全体をみると近景が浮いている。 よく考えたら近景だから浮かんでいて当然なのかもしれないが…。疲れた。 鴨をビデオでとってみる。使えないかな…。 みんなで昼ごはんを食べる。 六本木によって、現像された写真をうけとる。どれもすごいピンボケだ。 実はこのピンボケになるってことが課題の意図だったのではないか、と後で話した。 ピンボケになった写真もなかなかきれいだった。 Deluxに戻る。小指の課題の講評をやってるかと思ったのだが、やっていなかった。 財団によらずに家に直接帰る。 ●7日目 4/9日 Steve ビジネスレクチャー#2 -------------------------------------------------- 11:00 Delux着。講評ははじまっていない。 午前中、Deluxの中に広がるストライプ上の影を撮影する。Delux周辺で車のボンネッ トなど反射するものをクローズアップでビデオにおさめる。 それをMacにとりこんでみる。Final Cut Proの使い方がわからない。荒井さん、Joelに教わる。 Joel: ビデオの編集はAdobe AfterEffectsがいいよ。AfterEffectsは基本的には動画 合成用のソフト。しかし僕はこれで編集もするのが好きだ。先端のプロダクションで は基本的にこれを使っている。「AKIRA」もこれを使ってた。すごくきれいなエフェ クトだった。 タイムラインのコントロールの仕方も教えてくれる。時間軸を自由にいじれる。 たしかにいろいろできる。 でも、まずは使いなれているiMovieでラフカットしたいという気分になる。 15:00 Steveのビジネスレクチャー#2 詳細は別途まとめる。 ピーターはガンダムのプラモを拾ってきていた。 17:30 共存をはなれる。 17:40 原宿着。 ・キディランドでLEGOの人形を探すが在庫が無い。だめだ。別の手を考えないと。 ・モッズヘアで髪を切る。すごくさっぱりした。 19:00 財団。 reflectionの課題。いままでとりためてきた、反射の映像をラフに編集していく。 そうだ! スパゲッティ作ってって言われてたんだ。早く帰らなきゃ。 22:25 OK。できあがった。ラフに編集した。QuickTimeのかきだしをかけたまま帰る。 急いでたので、ラフにつないだ状態をテレビで確認せずに帰った。 22:30 かえる。 帰宅。 まず粘土で自画像を作る。(月曜日までなのだと思いこんでいた。) 直球勝負にすることにした。つまり自画像を比喩的にとらえるのではなく、 写実的な形を作ることにした。結構難しい。粘土の特性で、後から足した部分が きれいにうまくつながらない。結構苦労する。 black oilの課題をやる。5k contestのために作った構造を利用して、ストーリーを 作っていくことにした。簡単な英単語を並べたようなストーリーを作っていく。 それがちょっとランダムっぽく画面上に配置され、上に高速でスクロールしていくもの。 基本構造まではできた。 とりあえず寝よう。 ●8日目 4/10月 black oil、he and she、Steve ビジネスレクチャー#3 -------------------------------------------------- 昨晩遅かったので、さすがに起きるのがつらかった。 black oilの課題をするめる。行かなきゃ。 電車の中、バスの中で必死にキーボードをたたき続ける。なんとかちょっとづつでき あがっていく。バランス調整をしていく。 12:00 delux着。 ついたときすでにblack oilの課題講評がはじまっていて、四人分くらい終っていた。 今日までと思っていた粘土の課題はまだだった。 dynabookで作品を見せる。 John: スピードが一定なのがおしい。緩急をつければ他の表情が出せるのに。 Michael: いや、それはいいんじゃないか。横のスクロールバーを見ていたのだが、 本のようにお話がどこまできていて、いつ終るのかがわかって面白かった。 しかし課題には答えてないね。彼が行ってる間になにが起ったのか。彼女が待ってる 間に何をしていたのか。左右でheとsheをわけていたのはいいね。 ストーリーを物語るとき、人が分散して違う行動をとるときに、そのことをどう語る かは難しい。そこをクリアしてほしかったのだということなのだろう。 ・コイソさんの作品、とてもまっすぐに力強い物語を作っていた。 もう一つの課題、he and sheの課題はパスしてしまった。あまりにもとっかかりがな く、やりようがなかった。これもMichaelの予想通りで、一番難しかっただろう、と いう話。やはりとにかく課題をやることが、正解への道のりだったのだということだ ろう。 ・イクのTシャツの作品、男、女の顔とそれぞれにhe,sheから始まる言葉がプリント されていて、I am happyが裏からプリントされている。 ・ミキさんの犬の作品、文と文の間を日本語でうめていく。犬を主人公にした。 イラスト入り。 Michael: こういうなんの制約やひっかかりがない課題を、皮肉っぽくなく、ポジティ ブに語ることというのは簡単なことではない。これができていたのはとても良かった。 ・アヤの作品、ストーリーを語りながら、トランクに花を生けていく。 最後、トランクが花でいっぱいになる。かなり感動。 ワークショップ全体を通じて、一番良かった。 ・イクのblack oilの音の作品、男の声と女の声のトーンの違い、とてもきれい。 まだ講評が続いていたが、Steveのビジネスレクチャーが始まってしまうので、共存 に行く。タクシーの中でSteveに話をきく。昨年、青山墓地で東京のクリエイターと お花見パーティーをしたとき、学校ができるんじゃないかと思った話。 共存にいく。まだ人が少なく、いまのうちに聞きたいことを聞く。 ・Underworldのメンバーは普段トマトのメンバーとしてはなにをやっているのか? ・Urban Actionでは工場での生産が必要になるが、そこはどうクリアしているのか? など。 Steveのビジネスレクチャー#3がはじまる。 残念ながら天候悪く、お花見しながらのレクチャーは無しになった。 詳細、別途まとめる。 ・プロモーションについて ・アメリカでのプレステ立ち上げについて ・キャッシュフローについて 19:00 青山ブックセンターにいき、tomato「PROCESS」、tomato「bareback」を買う。 20:40 IMRF着。 21:50 reflectionの課題をやる。 iMovieでラフに編集したビデオを見てみる。ひどい出来。 こんなの絶対見せられないよ。どうすりゃいいんだ…。 かなりおちこむ。イクに電話して、そっちの調子はどう? と聞いてみたりする。 すこし回復する。結局、昨日思いついた手法を使って見せるしかないんだ、と決心する。 三脚を立てて録画しはじめる。 0:30 できた! これならまぁOKだろう。 画質が荒れててちょっとチープっぽいんだけど。 ちょっとトマトっぽいって言われちゃうかな? 音もノイズのってるし。7分30秒もあるのはちょっと長いよなぁ。 しかし選曲はばっちりだ。 ●9日目 4/11火 back wall project no.1 -------------------------------------------------- 朝、窓から入る光を見ていてアイデアを思いついた。立体視を使って課題をやろう! 10:30 deluxに行く。 back wall project no.1 を見せる。 reflectionsの課題。昨日作ったビデオを見せる。 Michael: black oilの課題もそうだが、僕が作った作品だということが、説明しなく てもわかる。あなたがある。 「次の作品がどんな手でくるのか楽しみだよ」とおどされる。 17:00 はやめに終る。 どこを歩くか考えた。村上龍の「イン・ザ・ミソ・スープ」という小説で、殺人鬼が ある廃虚に住んでいるという設定になっている。そこに行ってみようと思った。そこ は新宿から西に15分くらい歩いたあたりで、病院の廃虚だ。 小説を読んでいて、僕は以前そこに行ったことがあるんじゃないかと思った。昔僕は ファーストフード店でアルバイトをしていた。中国人のスタッフが働いていた。一度 彼の家に遊びにいった。表参道から歩いていったのだが、歩いて行けるような距離に よくこんな寂れた地帯があるものだと思うほど、古いアパートが並ぶ一帯があった。 中もすごかった。もちろん風呂、トイレは共用だし、流しも共用だ。流しが廊下にあ るのだ。部屋の中には女の裸のポスターがベタベタはってある。一晩泊まった。 小説に出てきた光景は、実はここの一帯のことを指していたんじゃないかと思ったの だ。そこで僕は9年前の記憶をたどってそこに行ってみようと思った。 ・ファミリーマートで使いきりカメラを4個買う。 ・PROGETTOに行き、AXIS 1999年9・10月号を買う。 18:00 財団にいく。富樫さんに手伝ってもらい、カメラを両面テープで固定。 JR代々木駅の55分DPEステーションは、夜10時までやってる。 出発。代々木上原駅にいく。北に向って歩きはじめる。 神田川沿いをあるく。わりと普通の住宅街だ。なかなか寂れた風景にならない。 やはり記憶は薄れている。どう歩いても同じような風景はみつからない。 しかし一つ廃虚をみつけた。回りは普通の家が並んでるからここじゃないのだが。 中にはいってみよう。フラッシュをたいて写真をとる。本当に恐くなってきた。 なにが恐いって、フラッシュをたいても奥のほうまでは光が行かないってことだ。 奥にはまだまだ暗闇が続いていた。実際に奥に殺人鬼がいるとは思わなかったけど、 三枚写真をとって逃げた。 北新宿のあたりにくると、寂れた家の風景があちこちに広がっていた。 ここのあたりだったんだろうか。ちょっと違うが寂れた感じだからよしとしよう。 写真をとりまくる。 22:00 代々木駅にいき、DPEに出す。明日9:00にあがっているとのこと。 ●10日目 4/12水 最終日、back wall project no.2 -------------------------------------------------- 10:00 代々木にいき、昨晩現像に出した写真をうけとる。6000円もかかった。 バスの中で必死で並べ替え作業をする。ほとんど写ってないとか立体視できない写真多し。 10:30 Delux着。必死で写真はりつけをする。 横井さんに手伝ってもらったおかげで早くおわった。 せっかく急いでやったが、まだ作業をしている人が多いため、講評は開始してない。 14:00 講評開始。 back wall projects no.2 を見せる。「go in to the city」の課題。 知らない町を歩き、それを記録する。 町を歩いて、立体視の写真をとってまわった。その記録。 それをひとつながりの巻物のようにして、形にした。 Michael: 最後の三つの課題全てが違う形なのに、それぞれに構造をもっていて、 なにも説明されなくてもあなたが作ったのだということがはっきりわかる。 みんなが見入っている。それも意図したことだろうが、すばらしい。 次の作品がどういう手でくるかと思ったが、こういう手だとは思いもしなかった。 John: この階段の写真みたいに、シンプルな形で構成したほうがよかったんじゃない か。いくつかの写真はよくて、いくつかはよくない。 他、 ・イク、ブライアン、バッキーのコラボレーションの映像、アクリルの水槽に水をい れ、OHPに文字を配置しコピー機の上で光を動かしながら撮影。水を通した光がとて もきれいだった。DISINFECTEDという言葉が医学的印象で、それで意図がわからなく なってる気がした。 ・ヨウイチさん、ジャクソン、イッカンのコラボレーション、OHPの上に水溶性の文 字を印刷し、水でとけるようにする。その瞬間を撮影した映像。はかなさのようなも のがうまく表現されていた。消える瞬間をハイスピード撮影してひきのばしたらきれ いだろうと思った。 ・コイソさん、生演奏。その後、メディア間の関係についての議論になった。 MichaelがたけしのHana-biとアラキの写真(奥さんが亡くなったときの写真)を例にだ した。僕がたけしの映画ならソナチネのほうがはるかにいいと言った。それはまさし くそのとうりだと言った。しかしHana-biとアラキの写真にはテーマの共通性がある からこの例を出したのだと。Joelは「僕は「この男凶暴につき」のほうが好きだ」と 言った。結局、みんなたけしの映画を見てるってことだ。すごい。 日本の女子高生のポラロイドブームについて話したら、ヒロミックスみたいな感じ? と言ってくる。なんでここまで知ってるんだ。 19:00 講評終り。みんなで床掃除。 ピザを食べ、Tokyo Aleをたらふく飲む。 長谷川踏太さんが来ていた。 戸村さんが来た。 音楽がかかってノッてくる。みんな踊りはじめる。 0:00 他のみんなはYellowに行くといってるが、さすがに帰る。 終っちゃったよ!!! ======================================================================