ソフトウェア・アートとは何か

→ソフトウェアとは一体何か。
→広い意味では、音楽CDなどもソフトウェアの一種。
→コンサート・ホールというハードに対して、
オーケストラをソフトと言うこともある。
→美術館における絵画は、典型的なソフトウェアの一つ。

→しかしコンピュータにおけるソフトウェアとは、それとは種類が異なる。
その違いはどこからくるのか? それはプログラミングからくる。

→コンピュータにおけるソフトウェアとは、プログラミングによって作られ
たという点に、最大の特徴がある。



プログラミングとは何か

→プログラミングの起源を考えると、ゲーデル数に行き付く。
→ゲーデル数では、計算という行為そのものを数字で表す。
→そして、チューリング・マシンにいきつく。

→チャールズ・バベッジによるディファレンス・エンジンが
世界最初のコンピュータであり、オーガスタ・エイダ・バイロンが
世界最初のプログラマーである。

→「操作とその対象とが同一平面に並べられたもの」
計算する対象と、その計算についての記述そのものとが
同一の平面に位置していることがその特徴である。




様々な計算の時代

→A.I.、ハードな人工知能の時代、
論理的な記述の集合で世界をとらえようとした。

→A.L.、あいまいな計算の時代、ニューロ、ファジー、
GA、GP、フラクタル、カオス、

→そして全てが失敗した。

→なぜか?
それは「必要」がプログラムを要請するからである。
必要のないところにはプログラムは存在しない。



開発者と利用者の相互置換可能性

→アップルIIの誕生、アメリカ各地でのコンピュータ・クラブの誕生。
→1984、Macintoshの誕生、IBMに対するアンチテーゼ
→パソコン通信、PDS、シェアウェア、フリーソフト
→Richard StallmanによるGPLの発明、GPL化されたフリーソフト
→インターネットの普及、フリーソフトの時代へ。

→いつでも、利用者が開発者になれること、
開発者が同時に利用者でもあることが重要である。



利用者が同時に開発者でもある世界

→御仕着せではないソフトウェアの可能性
エンドユーザ・プログラミングへ向けて

→ヴィジュアル・プログラミングはプログラミングの世界を身近にする。
→ある種の音楽開発環境は、音楽制作に自由を与える。
→ある種のゲームは、プレイヤーに創作の可能性を与える。



プログラミング・アート

Programming can be Art
→プログラミングによって出てくる結果より、
プログラミングという過程そのものが重要である。
→可能性の問題として、プログラミングをとらえる。
→プログラミングそのものがアートであることもありうるのでは。
プログラミング・アートの誕生

→アートとしてのプログラミングは、
プログラミングにおけるアート(技芸)とは関係がない。
(The Art of Programming, by Knuth)
Knuthの言うアートとは、技芸、つまりテクニックである。

→必ずしも「美しい絵」が芸術であるとは限らない。
「芸術は美しくあってはならない」(岡本太郎)