qwikWeb: 協働活動のためのインテリジブルWebシステム

― だれでも構築運営できるコンテンツ流通空間の実現に向けて ―

情報技術研究部門 江渡 浩一郎,濱崎雅彦,西村拓一

概要

  • qwikWebは,どのようにして始まったか
  • qwik.jpの歴史,これまでの運用を振り替える
  • qwik.jpの現状の利用形態を分析

qwikWebの着想

  • 小さなグループにおけるコミュニケーションを考える
  • グループウェア: 一般には企業向け
  • 適切なコミュニケーション・システムが見当たらない
  • 例: ネット上のソフトウェアの共同開発
  • 例: 大学の研究室

メーリングリスト: 一番手軽なグループウェア

  • 何もなかったら何を使うか
  • メールで連絡をとるだろう
  • 一番簡単で誰でも使えるシステムである
  • 欠点: 情報を組織化することができない
  • 情報をまとめていくのが苦手である

WikiWikiWeb: 手軽な情報共有システム

  • Webブラウザから,ページの作成・編集を行える
  • 非常に柔軟なシステムで,多様な情報を整理できる
  • 欠点: いつだれが変更したのかわからない
  • 毎日ページを見ないと,更新が伝えられない
  • 誰もアクセスしないと,廃れていってしまうことも

qwikWeb: メーリングリストとWikiWikiWebを統合

  • メールを送るだけで,メーリングリストとWikiサイトが同時に作成される

qwikWebデモンストレーション

  • Wikiの基本形: ブラウザ上で簡単にページを編集できる
  • 簡単な記法で構造を記述.ページ間リンクも作れる

メーリングリストと統合した利点

  • メーリングリストのメンバーだけがアクセスできるプライベートなWikiが簡単に作れる
    • 注: 従来のWikiはメンバー管理が面倒だった
  • Wiki上での編集記録がMLに通知される
    • 編集されたら,ちゃんとみんなに伝わる
    • 誰が編集したのかがみんなにわかる

メールとWikiの融合

使い方の自由度の高さ

  • 最初は単なるメーリングリストとして使う
  • 情報を組織化する必要が出たときに始めてWikiとして使いはじめる
  • 例: 合宿をする,共同で文章を書く,など
  • 送られたメールが蓄積されるため,過去を振り返るのが容易
  • 自分一人だけが使うという用途もある

qwik.jpのサービス

  • インターネット上で試験運用サービスを提供中
  • 2003年8月にサービス開始
  • 4年間以上運用実験を継続している

qwik.jpの誕生〜歴史

  • 2003年8月 qwik.jp稼働開始
  • 2004年9月 フリーソフトウェアとして一般公開
  • 2004年10月 未踏プロジェクトに採択
  • 2005年2月 Interaction 2005で口頭発表
  • 2005年10月 国際Wikiシンポジウム(WikiSym2005)にて口頭発表
  • 国際Wikiシンポジウムの運営委員に就任
  • 現在にいたる

qwikWebの普及

  • Rubyを開発したネットワーク応用通信研究所,IPA CodeBlogプロジェクト,沖ソフトウェア株式会社など,プロ中のプロの集まる組織で利用されている
  • 開発者メーリングリストでの報告より推定すると,20件程度の組織で利用されている
  • Software Designにて「qwikWeb特集」が掲載された影響が大きいと思われる

国内でのWiki普及にむけて

  • 「Wikiの本質」についての論文を,Linuxカンファレンス,未来心理,人文情報学シンポジウムで発表
  • Wikiをテーマとした講演を行う (オブジェクト倶楽部主賓講演,Yahoo!社,多摩美,慶応大学)
  • Wikiをテーマとしたインタビューを受ける (新建築, CONTENT'S FUTURE, 10+1)
  • Wiki普及にむけての団体「Wikiばな」を推進

qwik.jpの現在

  • 運用開始より4年経過.概略をまとめる.
MLの数 3110個
平均ユーザ数 7.7人
平均活動期間 116.2日
ユーザの数 18159人
平均参加ML数 1.4個

ログ解析手法

  • ログの中の個人情報(メールアドレス)を暗号化
  • プライベートWikiのみを対象に解析する
  • メールを扱ったシステムのため,spamの影響を排除することが大変だった

qwik.jpの成長

  • 直線的に延びてきた
  • メディア掲載による急激な延びがある
  • ユーザ数メールアドレス数.名寄せはしていない

MLとwiki利用

  • 横軸はmonth,縦軸はサイト数
  • 7割のMLがwikiを利用
  • ML+wikiは7割の支持を得ていると言える

qwik.jp現状のまとめ

  • ML+wikiという利用形態は7割程度の支持を得た
  • 利用者の4割程度がwiki機能を利用
  • 利用者の1.5割程度がwikiの編集機能を利用

今後の課題

  • qwikWebの特徴として利用形態の自由度の高さがあげられる
  • そのため,サイト毎に利用形態がばらばらである
  • 本来はサイト毎に利用解析をする必要がある
  • 利用形態の違いを反映するには,グループの人数毎に分析するといいかもしれない

まとめ

  • 手軽で自由度の高いコミュニケーションシステムqwikWebを開発した
  • qwikWebは20件程度の組織で導入実績がある
  • 無償の実験利用環境qwik.jpを4年間運用してきた
  • アクセス解析より,ML+Wikiは7割程度の支持
  • 国内でのWiki普及を推進している
Last modified: 2007-11-27